フェルミオンの生成・消滅演算子

注意!この記事には間違いがありました。http://d.hatena.ne.jp/n-u-ki/20060709に訂正記事を書きました。
fermionicな生成・消滅演算子を考えます。*1

\{ c_i,c_j^\dag \}=\delta_{i,j} \; , \; \{ c_i^\dag,c_j^\dag \}=0 \; , \; \{ c_i,c_j \}=0
実はこの反交換関係では相当変な事が起こっています。

  1. 同じ物を2つかけるとゼロになる。
  2. 積の順序を交換すると符号が逆転する。

少なくとも複素数にはこんな性質はありません*2。ただしこれはパウリの排他律を自動的に満たすのでフェルミオンの記述には欠かせません。さて、ボソンの時と同様に個数演算子\hat{N}=c^\dag cで定義します。すると

c|n\gt =\sqrt{n}|n-1\gt \; , \; c^\dag |n\gt = \sqrt{n+1}|n+1\gt
が求まります。上の関係式から
|1\gt = c^\dag |0\gt \; , \; |2\gt = \frac{1}{\sqrt{2}}(c^\dag)^2 |0\gt =0
となり、|0\gt \; , \; |1\gtの2つの状態しか無い事が分かります。これはボソンと大きく異なる点です。

*1:前回は書きすぎたので今回は少なめにします。

*2:Fock空間でこれを考えると固有値もこの関係を満たす"数"でなければならず、そのような数はGrassmann数と呼ばれる。