ディジタル伝送理論

今日は専門的能力(伝送)より「デジタル伝送装置 > ディジタル伝送理論」をまとめます。

符号化

  • パルス符号化変調方式PCM
    • 処理の流れ
      1. 標本化:サンプリング
      2. 量子化:A/D変換
      3. 符号化
      4. 復号化
      5. 補間ろ波
    • 欠点
      • 音声信号の場合、アナログに比べて16倍の帯域が必要
      • 量子化雑音が発生
  • 標本化と補間ろ波
    • 標本化(sampling)
      • PAM (Pulse Amplitude Modulation)
    • 補間ろ波
    • 標本化定理
      • 電話の場合
        • 音声帯域は0.3〜3.4kHz
        • 8kHzでサンプリング(余裕分有り)
        • パルス間隔は125us(8kHz)
        • 音声のビットレート:8bits×8000回/秒 = 64kbps
  • 量子化と圧伸
  • 帯域圧縮
    • 適応型PCM(APCM:Adaptive PCM):信号差を4ビットで表現
    • 適応型差分PCM(ADPCM:Adaptive Differential PCM)
      • PHSで採用
      • 予測値との差で表現する
      • 音声データをそのまま符号化する
      • みなし音声によるデータ通信が可能
    • VSELP(Vector Sum Excited Linear Prediction)
      • 携帯電話で採用(当初は)
      • モトローラがCELP(符号励振線形予測)をベースに開発
      • CELPとの比較
        • 音質は悪い
        • 演算量やメモリが少なくて良い
        • エラーに強い
      • ベクトル和・励振線形予測とも
      • フルレート
      • 64kbps → 6.7kbpsに圧縮(エラー訂正符号込みで4.5kbps)
      • 受信側に雑音符号帳を持ち、音源の鳴らし方を符号化して送信し、元の音声と似た波形を出力側で生成する。
    • PSI-CELP(Pitch Synchronous Innovation CELP)
      • 現在の携帯電話に採用
      • NTTが開発
      • ハーフレート
      • 64kbps → 3.45kbpsに圧縮(エラー訂正符号込みで2.15kbps)
      • 同一周波数に従来の倍の6ユーザを収容できる
    • MPEG-4

多重化

  • 時分割多重
    • TDM:Time Division Multiplex
    • TDMA:Time Division Multiplle Access
    • ビット同期
      • スタッフ同期
      • 網同期
    • フレーム同期
  • 符号分割多重(CDMA:Coded Division Multiple Access
    • 無線通信において周波数帯域の有効利用が目的
    • 処理
      • 1次変調:複数の音声信号を変調
      • 2次変調:それぞれ異なる拡散符号で1次変調波を変調
      • 2次変調波を合成して1つの周波数帯で送信
      • 受信側で相手の拡散符号との相関を取って逆拡散を行う:1次変調波を抽出
    • 方式
      • 直接拡散(DS:Direct Sequence)方式
        • 伝送速度より十分に速い拡散符号で2次変調をかける
        • 高帯域に拡散する事で1ビット当たりの電力密度を小さくする
        • 受信側で同一の拡散符号により逆拡散する
        • PN(疑似雑音)符号系列とウォルシュ関数を併用して符号間の直交性を高めている
      • 周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)方式
        • 短い時間(1秒程度が多い)毎に送信する周波数を切り替える(ホッピング)方式
        • 特定の周波数でノイズが発生しても別の周波数で受信したデータで訂正可能
        • 対障害性が高い
        • 多対多の通信に適している
        • DS方式より伝送速度は劣る
      • ハイブリッド方式
  • スタッフ多重と同期デジタル階梯
    • PDH(Plesiochronous Digital Hierarchy)
      • スタッフ多重(stuff multiplexing)
        • 初期のデジタル回線では各国の事情によりクロック周波数が異なっていた
        • 多重化するためにスタッフビットを付加 → クロック数をそろえた
      • スタッフ多重を前提として速度クラスを階層的に規定
      • プレジオクロナス(plesiochronous):ほぼ近い周波数で動作する様子
    • SDH(Synchronous Digital Hierarchy)
      • 世界的に統一された規格によって構成される階層システム
  • 同期デジタル階梯(SDH)の標準化
    • SONET(Synchronous Optical NETwork)
      • ANSIが規定した同期光ファイバネットワーク
      • 欧州の規格との互換性は無い
    • ITU-Tが1998年にSONETをベースに国際標準を定めた
  • スタッフ多重
    • 高速側と低速側の速度差を調整するためにスタッフ挿入回路でスタッフパルスを挿入
    • 受信側にスタッフパルスの存在を知らせて除去する
    • 同期が取れていない入力信号にスタッフパルスを挿入する事で多重化が可能になる
  • 網同期
    • 網同期方式:通信網内の各装置の基本周波数を一致させる事で同期を取る方式
    • 独立同期方式
      • それぞれの交換局に高精度の発振器を独立に設置
      • 国際間の通信に用いられる
    • 従属同期方式
      • 特定の交換局に主発振器を置き、分配機を通じて基本周波数(クロック)を分配する
      • 容易に多重化できる
    • 相互同期方式
      • 各交換局が制御発振器を設置し、接続される他局の発振器と相互に同期を取る
  • 同期多重
    • 網同期を用いて多重化する事
    • 周波数多重フレーム
    • フレーム同期多重方式

中継

  • 再生中継器の機能
    • 3R機能
      • 等化増幅(Reshaping):ひずんだ受信パルス波形をパルスの有無が識別できる程度まで整形増幅する
      • リタイミング(Retiming):受信パルス符号列からタイミングパルスを抽出し、識別再生回路に供給する
      • 識別再生(Regenerating):タイミングパルス毎に識別レベル(スレッショルド)を超えていたらパルスを発生させる
  • 伝送路符号
    • パルスが無い状態が長く続くと再生中継器が機能を果たさなくなる
    • 直流分を抑圧する符号
      • AMI(Alternate Mark Inversion)符号
        • バイポーラ方式とも
        • 2進符号の1が発生する度に正負を交互に送出
    • カウントnバイポーラ符号
    • ダイコード符号
      • マンチェスタ符号化とも
      • 1または0の信号を決まった方向の電圧変化に割り当てる
    • ビット順序の独立性(BSI:Bit Sequence Independence):符号化において、送出される符号系列に対して独立した伝送路符号である事
    • DC成分を抑圧してBSIを満たす符号
      • PST(Paired Selected Ternary)符号:2進数2桁を単位としてバイモード型3値2桁符号に変換
      • B6ZS(Bipolar with 6 Zeros Substitution)符号:バイポーラ符号列においてゼロが6個連続したブロックを別の符号パターンに置き換える
      • mB-nB(m Binary - n Binary)符号
      • HDB(High Density Bipolar)符号
      • CMI(Coded Mark Inversion)符号
      • DMI(Differential Mark Inversion)符号
      • 4B-3T(4 Binary-3 Ternary)
      • mB1C(m Binary with 1 Complement inversion)
  • 等化振幅と符号間干渉
  • タイミング抽出とジッタ
  • 識別再生とビット誤り率