分数量子ホール効果

分数量子ホール効果に関する文献と考察の走り書きをここに記す。

文献

ホール効果

2次元のx-y平面内に閉じ込められた電子を考える。この様な系は現実の物質内でも薄膜を作る事で実現できる。

x軸方向に電流が流れている時にz軸方向に磁場をかけると、電子に働くローレンツ力によりy軸方向に曲げられる。これにより電流と磁場に垂直な方向に起電力を生じる現象をホール効果と言う。

整数量子ホール効果(IQHE)

低温においてはホールの移動のしやすさを表すホール伝導度はnを整数として\sigma_{xy}=-n\frac{e^2}{h}の様に量子化されている。汚い試料でも6桁もの高い精度で量子化されているので驚かれた。
強磁場下で軌道運動が量子化されエネルギーはランダウ準位となる。このエネルギーがフェルミ面にあると波動関数が局在し、伝導に寄与しなくなる(アンダーソン局在)。これは1体問題として解かれている。

分数量子ホール効果(FQHE)

上ではnは整数としたが綺麗な試料においてnが分数になる物も発見された。この問題は1体問題としては理解できず、電子間の相互作用が重要な働きをしていると考えられている。
これに対してラフリンは電子に奇数本の磁束を貼り付けた複合フェルミオンを考え説明した。

*1:全文は有料。大学等の研究機関からなら読める。

*2:これも有料。