メタリックアクセス技術

だんだんと掘り下げていきます。今回は専門的能力(伝送分野)の中から「アクセスネットワーク技術 > メタリックアクセス技術」を取り上げます。

アクセスネットワーク技術

アクセスネットワークとはユーザ端末と通信事業者を接続するためのネットワークである。ネットワークの距離は高々1マイル程度しか無いので「ラストワンマイル」とも呼ばれます。
このネットワークとしてはISDNADSL光ファイバによるFTTH、無線によるFWAなどがあります。

メタリックアクセス技術

いわゆる電話線がこれにあたり、全国に100万km以上のメタリックケーブル設備が張り巡らされています。

ISDN

サービス総合デジタル網(ISDN:Integrated Service Digital Network)は電話、データ、ファクシミリなどの各種メディアを通信できるデジタル網として提供されています。

  • 基本インターフェース
    • 2B+D
    • Bチャネル
    • Dチャネル
    • アウトバンド信号方式
      • 通信チャネルとは別のチャネルで呼制御やシグナル信号を送る。UNI (User Network Interface)
      • インバンド信号方式:同じチャネルで伝送。X.25
  • テレコミュニケーションサービス
    • ベアラサービス
      • 伝送と交換サービス(レイヤ1〜3)
      • 64kbps非制限ベアラサービス
        • 端末と網終端装置間で情報が変更されない事を保証する
        • ISDN転送の基本
        • 電話、G4 FAX、テレビ電話などの端末−端末間通信に用いられる
        • 音声制御装置を持たない
      • 64kbps音声ベアラサービス:音声信号制御装置を回線上に持つ
        • A/μ変換器
        • エコー制御装置(EC)
        • デジタル回線多重化装置(DCME)
    • テレサービス
  • 一次群インターフェースにおけるチャネル構成
  • 公衆パケット網との接続
  • 設計方針
    • バス配線
    • 最大8台接続
xDSL

xDSL(x Digital Subscriber Line)は音声通話とデータ通信を共存させる高速デジタル伝送方式の総称で、データ通信には基本的に音声帯域に使用されない4kHz以上の搬送波を用います。

  • ADSL(Asynchronous DSL)
    • QAMを拡張したDMT(Discrete Multi Tone)
    • トーン:0〜1.104MHzの周波数帯域を256個に分割
      • トーン間隔:4.315kHz
      • トーン1〜6(〜25kHz):POTS
      • トーン7〜38(25kHz〜164kHz):上り通信 (32Tone×15bits/symbols/Hz×4kHz=1.92Mbps)
      • トーン39〜256(164KHz〜1.104MHz):下り通信 (218Tone×15bits/symbols/Hz×4kHz=13.08Mbps)
    • 初期化:トーン毎にテスト信号を送信
      • 減衰が大きい場合 :4bits/symbols/HzのQAM
      • 減衰が小さい場合 :15bits/symbols/HzのQAM
    • エコーキャンセラ
  • HDSL(High bit rate DSL)
    • 米国デジタル専用線T1と相互接続出来る
    • 符号化方式:2B1Q
    • 符号化方式がCAPのHDSL2もある
  • SDSL(Synmetric DSL)
    • HDSLの2対の内、1対のみを用いる方式
    • 電話、FAX、インターネット接続が1本の導線で可能
  • SHDSL(Synchronized Symmetric DSL)
    • 導線の電話線にISDNのBチャネル2本、Dチャネル1本とxDSLを同居
  • VDSL(Very High rate DSL)
    • これだけは光を含む。他は導線だけ
    • 高速だが伝送距離が短いので構内配線に用いられる

通常の電話サービスはPOTS(Plain Old Telephone Service)と言い、4kHz以下の音声帯域を使用します。