ビッグバンとブラックホール

金曜日に打ち上げをやって早々と寝たんだけど、目が覚めてしまったので本を読んでいた。

そこで、この本とは直接は関係のない内容だが、ふと次のような事を考えてしまった。

ビッグバン宇宙論では宇宙誕生直後は超高温、超高密度の時空だったと考えられている。それは現在の宇宙が膨張している事からそう考えられる様になったのだ。と言う事は宇宙誕生直後はブラックホール(以下BH)内部と同じ状態を経て現在に至っていると考えられる。すなわち、初期宇宙を理解するためにはBH内部の理解が不可欠だろう。そこで物質を圧縮していくと何が起こるのかを追っていく。

一般相対論はある程度の物質があると自ら収縮し、星を形成する事を予言している。この時、集まる質量によってその星のたどる運命が決まる。
太陽質量の0.08倍以下の軽い星は褐色矮星と呼ばれ、数兆年掛けて徐々に収縮してゆく。しかし核融合は起こらないので冷えて暗くなってゆく(褐色矮星)。
太陽質量の0.08倍〜8倍の星はやがて赤色巨星になり、星の外層は惑星状星雲となって空間に散ってゆく。中心部には白色矮星が残される。非常に密度が高く、1立方センチあたり100kg〜10トンにもなる。この強い重力は電子の縮退圧が支えていて、重力が強くなって支えきれなくなると重力崩壊を起こして爆発するか中性子星になる。
太陽質量の8倍から25倍の星は赤色巨星を経て超新星爆発を起こす。その中心部には中性子星が残される。その密度は1立方センチメートルあたり、1億〜10億トンにもなる。この重力を支えているのは中性子同士に働く核力(強い力)である。ここで重力崩壊を起こすと1点に無限の質量が集中するBHになると考えられている。
超新星爆発後に残る天体として中性子星よりも高密度なクォーク星の存在が予言されている。いくつかの候補天体は見つかっている様だ*1
BHの内部は強い重力のために空間は強く歪んでいる。そのため一般相対論も適用できないとされている。超弦理論はこの状態を記述できる可能性がある*2

ビッグバン後の物質の分布は殆ど一様だったと考えられている。そうではなく、爆発の破片の様な物、つまりBHが残されたと考えてみるとどうだろう。銀河外周部に点在する恒星質量BHは星の進化によって生まれ、超大質量BHはビッグバンの破片が残った物だと考えるのだ。この様に考えると超大質量BHの存在も説明出来るんじゃないだろうか。